皆さんこんにちは!退職代行社長の犬飼です。
退職代行と企業とのあいだで取り交わされる具体的なやりとり(会話内容)について、その公開はなるべく控えるようにしています。ご利用者様にとって心理的負担になることが多く、弊社の立場上好ましくないと考えていました。
ところが最近では「どんなやり取りをしているのか是非知りたい」という要望が各方面から聞こえるようになりました。
そこで、弊社が相対してきたブラック企業とのやりとりを中心に、実態の暴露というかたちでお話しようと思います。
本人と直接話したがる企業
ブラック企業に最も多いのが「話せばわかる」と考えている企業です。
すでに信頼関係が破綻し(もしくは最初から構築できず)話し合える状態でないということが分からず、ご利用者様本人や緊急連絡先に電話をかけようと躍起になります。
やりとりの具体例
こういった企業を相手取るときは、直接のやり取りを避けたいがために弊社にご依頼されていること・退職意思が固く揺るがしようがないことをはっきりと説明しています。
根気よく説明して理解を取り付けることで、ほぼ全ての例を退職成功へと導いています。
★ブラック企業vs退職代行の実際の会話
代行スタッフ
「お忙しいところ恐れ入ります。退職代行株式会社の○○と申します。
ご利用者様が退職をご希望されておりますので、お手続きについて伺えますか?」
勤務先
「どういうことでしょうか?本人から何故ご連絡がもらえないんですか?」
代行スタッフ
「諸般の事情により、直接やりとりすることは避けたいとご希望です。
退職の意思はすでに固められております。退職届の提出と返却物の郵送先についてご回答ください」
勤務先
「本人の意思を聞きたいんです!あなたは関係ないですよね?
上司である私が直接話して、退職理由を聞くまでは納得できません」
代行スタッフ
「退職理由は届出でご説明される予定です。
御社からの説得や引き留めは望んでおられません。ご利用者様の意思を汲んでいただいた上で、今後の手続きの流れについてご教授ください」
論点をすり替える企業
ブラック企業のなかには“退職代行対策”を講じているものもあります。その主な手法としては、退職のやりとりを「退職代行サービスの合法性」や「弊社の実在性」にすり替えるものです。
やりとりの具体例
弊社のコンプライアンス意識や法人格は後ほど調べてもらえれば分かることです。
話を元の路線に戻すことを意識するには、それでもきちんと弊社の素性を明かすことが大切だとスタッフに周知しています。
★ブラック企業vs退職代行の実際の会話
代行スタッフ
「お忙しいところ恐れ入ります。退職代行株式会社の○○と申します。
ご利用者様が退職をご希望されておりますので、お手続きについて伺えますか?」
勤務先
「退職代行?どういう企業なんですか?うちは怪しい会社からの連絡は受けていませんよ」
代行スタッフ
「企業として退職のお悩みに沿うサービスを展開しております。
会社情報をお伝えしますので、必要であればお控えください。
ご利用者様は迅速な退社を望まれておりますので、今後のお手続きについてご教授ください」
上司が頼りない企業
日本企業の99%以上は中小企業であり、社長のワンマン経営である会社はさほど珍しくありません。こうした会社では、人事について意思決定すべき上司が事実上“お飾り”に過ぎないのです。社長とのやりとりを強要されれば、代行の長期化は避けられません。
やりとりの具体例
退職について決裁者と合意に至るまで話し合う必要は、原則としてありません。退職届のなかで理由の説明義務を果たせばよいのです。そのことをご理解いただき、その場で手続きの具体的な方法を紹介するよう促します。
★ブラック企業vs退職代行の実際の会話
代行スタッフ
「お忙しいところ恐れ入ります。退職代行株式会社の○○と申します。
ご利用者様が退職をご希望されておりますので、お手続きについて伺えますか?」
勤務先
「はぁ…申し訳ありません、僕ではちょっと判断できないです。
社長にお繋ぎしていいですか?」
代行スタッフ
「今回は退職意思のお伝えとお手続き方法のお伺いでお電話しました。
正式なお手続きはご利用者様より後日行われます。迅速な退社をご希望されているので、御社でとられているご退職手続きについてこの場でお聞かせいただけますか?」
ブラック企業に退職を認めさせるための“仕上げ”
どの例でも「仕事・人・情報に対する管理のずさんさ」という組織の問題を抱えていることがうかがい知れます。退職代行サービスからの電話によるアプローチが握りつぶされてしまうリスクも考えられるでしょう。
そこで、ご利用される皆さんに「退職届は配達証明付きの郵便で送ること」をおすすめしています。弊社にお聞かせいただいた退職理由を相違なく明記していただいた上で送付すると、対象を認めさせる上での“仕上げ”として機能します。
諦めなければ退職は叶う
ブラック企業という存在は、第三者である弊社に対しても、紹介したようなぞんざいな態度を取ります。ご利用者様と企業との関係がどんな状況かは、想像に難くありません。
諦めなければ会社は辞められます。
心が折れる前に、あなたの退職をお手伝いさせてください。