【社長が解説】公務員でも退職代行は使える?

【社長が解説】公務員でも退職代行は使える? 退職代行
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こんにちは!退職代行社長です。
昨今、現職公務員の方から「退職代行を使うことは出来ないか」とご相談をいただく機会が急増しています。やりがいのなさもひとつの原因だと考えられますが、一部で取りざたされているブラック体質の問題も背景にあると考えています。

今回の記事では「退職代行で公務員を辞める事はできるのか」「その場合に注意をすればいいのか」という点についてお話したいと思います。

公務員は簡単に辞められない?

公務員と民間企業のサラリーマンとでは、雇用契約の方式が根本的に異なります。

 

公務員:任用制(任命権者=官公庁のトップから役職を与えられている)
会社員:労働契約制(会社のトップと対等な立場で労働契約を結んでいる)

 

会社員であれば退職届を出せば辞められます。そもそも法律上は勤務先と対等な立場ですし、民法の原則に基づけば「どちらか一方が意思表示すれば契約解除できる」からです。

今回のテーマである公務員は、契約ではなく命令で業務にあたっているものと解釈されています。退職するときも、それを認める命令である「辞令」を出してもらえるまで辞められないという考えることができるのです。

 

しかし、本当にそれでいいのでしょうか?
この考え方によると、公務員の「職業選択の自由」という人権が守られないことになってしまいます。

公務員も退職意思を表示すれば自由に辞められる

そこで、公務員の雇用制度も「労働契約制」であると広く解釈されるようになりました。
公務員であっても、退職届を出せば自分の意思で辞められるということです。もちろん、形式上は任命権者からの辞令による退職となります。

ここからは、今回の記事のテーマである「退職代行を使って辞めてもいいのか」というお話に移りましょう。

公務員でも退職代行は使える

公務員でも退職代行が使える

退職代行サービスとは、ご利用者様に代わって「退職したい」という意志表示を行うものです。公務員も民間企業のサラリーマンと同様に自由意思で退職でき、意思表示の方法にこれといった決まりはありません。
公務員が退職代行を使って辞めることは、法律上はひとまずOKなのです。

 

問題となるのは、普通退職(民間企業で言うところの自己都合退職)に関する各官公庁の対応状況です。最終的には任命権者からの退職辞令が下りれば問題ありませんが、決められた通りの手順を守らないと免職扱いになってしまうのです。
免職とは民間企業で言うところの「クビ(解雇)」に相当するため、以後の就職活動に差支えが出ることは避けられません。

公務員の退職手続きは「理由の書面化」が求められがち

退職代行の利用後は、ほとんどの職場で退職届の提出が求められます。多くの退職者を悩ませるのが、届出に記入する「退職理由」です。

公務員は「退職理由」をきちんと報告する義務がある

民間企業で働く会社員であれば、送付する届出の理由欄には「一身上の都合で」と書いておいて問題ありません。ところが公務員が職を辞すときは、退職届に「辞める具体的な理由」も詳細にわたってきちんと記入することが求められます。任命権者が辞令を出すための判断材料になるというのが、その根拠です。
ただし、退職理由に納得できないからといって職場に引き留められることは、ほぼありません。
「退職理由を届け出る→上司から任命権者にエスカレーションする→任命権者が判断を下す(辞令を出す)」という形式的なルールさえ守れば良いからです。

基本的に即日退職は不可

公務員の場合、民法の規定である「退職の申し出は2週間前までに」というルールが厳格に適用されます。つまり、即日退職は事実上不可能です。
さらに、自衛隊法には明確に「業務に影響する場合は退職を承認しない」という規定さえあります。

第40条(退職の承認)
第三十一条第一項の規定により隊員の退職について権限を有する者は、隊員が退職することを申し出た場合において、これを承認することが自衛隊の任務の遂行に著しい支障を及ぼすと認めるときは、その退職について政令で定める特別の事由がある場合を除いては、任用期間を定めて任用されている陸士長等、海士長等又は空士長等にあつてはその任用期間内において必要な期間、その他の隊員にあつては自衛隊の任務を遂行するため最少限度必要とされる期間その退職を承認しないことができる。

出勤せずにそのまま辞めるには、退職日まで欠勤するという旨をしっかり先方に伝えなければなりません。自衛官などの特定の職種の場合は、退職代行サービス側に高度な知識とスキルが求められます。

免職扱いになる退職時のNG行為

公務員が退職代行サービスを使うときにやってはならないこと

公務員法では免職に関する規定が細かく設定されています。ここで紹介する条件に該当しないよう、十分注意しながら退職手続きを進めなければなりません。

 

★公務員の退職におけるNG行為

  • 正当な理由なく21日以上欠勤すること(各官公庁の懲戒処分の指針)

…すでに紹介した通り「退職日まで休みます」というお伝えは欠かせません。欠勤理由で嘘や誇張表現を使うことも、極力避ける必要があります。

  • 雇用期間継続中の兼業・職務怠慢・頻繁な欠勤

…公務員は国家公務員法103条&104条で兼業が禁止されています。「もう辞めるから」という気持ちで職務怠慢や頻繁な欠勤を続けると、普通退職扱いではなく免職となってしまう可能性があります。

まずはご相談ください

法的交渉をしない退職代行サービスであっても、公務員法に関する知識がなければご利用者様に不利益を被らせることになってしまうでしょう。
弊社の退職代行サービスでは、公務員のご退職に関してもご相談を承っております。
「普通に辞められるか分からない」というケースでも、まずは是非ご状況をお聞かせください。

ご相談はこちらで承っています→退職代行サービス公式LINE

 

 

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